寒い冬は、暖房機器を上手に使って、快適に過ごしたいものです。一般に、共同住宅のほうが、気密性と断熱性に優れ、逃げていく熱が少ないため、一戸建て住宅に比べて暖かく、暖房費も少なくてすみます。しかし換気の面から言うと良いとばかりは言えません。
ものが燃えるには酸素が必要となってきます。換気しないでいると、人間に必要な酸素すらなくなり、体に悪い影響を及ぼし、場合によっては死にいたることすらあるのです。
怖い一酸化炭素中毒
暖房機器やガスコンロを使った時に発生する一酸化炭素などは、200ppm(0,02%)の濃度で2~3時間以内に頭痛、400ppm(0,04%)になると1~2時間以内に頭痛・吐き気を催します。一酸化炭素は1000ppm(0,1%)に達すると死にいたる猛毒です。
人間の出す二酸化炭素にも注意
間は酸素を吸って二酸化炭素を吐きますが、夫婦2人が寝ている寝室(8畳間)で、二酸化炭素がブル衛生管理法の許容範囲(0,1%)を超える0,4%(4000ppm)を超えていたことがありました。人間の出す二酸化炭素の量を考えると、人1人に対して、1時間当たり8畳間1つ分ぐらいの空気を入れ替える必要があります。
たばこ1本で8畳間5個分
たばこを吸っている場合は、1本吸ったきれいな空気100平方メートルがないと、ビル衛生管理法で定められた基準値には戻りません。少し余裕をみて換算すると、8畳間5個分程度の空気が必要となるのです。
換気扇などで連続換気を心掛けましょう
2カ所の窓を少し開けるという自然換気の場合は、1時間に1回、風がない場合は5分くらい開けておくことが必要です。 また、気密性・断熱性を高めた住宅や、新しい共同住宅などでは、換気扇を使った連続換気を中心に考えたほうがよいでしょう。
ただし、大型湯沸器や風呂がまを使いながら換気扇を回すと、室内に排ガスが逆流して、一酸化炭素中毒を引き起こすことがありますので、注意が必要です。
空気清浄器は、フィルターや吸着材で浮遊粒子状物質や臭いのもとになる化学物質を除去するだけのもので、呼吸に必要な新鮮な酸素を供給するものではありませんので注意が必要です。(ただし、臭いの除去などに的をしぼり、換気扇と併用する場合には、効果はあります。)
閉め切った部屋で長時間暖房機器(特に石油ストーブやガスストーブなど)を使用するのは、非常に危険です。上手に換気して、新鮮な空気の中で暮らすようにしましょう。 また、換気は冬だけでなく、夏場のクーラー使用時にも必要です。